A7M2 烈風一一型
1/48 ファインモールド
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前回更新した烈風の製作記。モーター組み込み過程をメインに紹介します。
まずは、モーターをどのようにキットに収めるかを決めます。
たいていのキットは、「A:胴体」と「B:エンジンカウル」の構成となっていて、AとBの間にモーターを入れるわけですが。
烈風の場合、さらにもう一つ、Cがあって、これがエンジンカウルとなっています。
Cにモーターを入れるとなると、エンジンパーツをかなりいじる必要があり、それはめんどくさいので、Bを収容スペースとします。
Bの先端&ゴム管。
ゴム管が滑らかに回転できるような穴を、Bの先端に開けます。
お尻部分に銅線をくくりつけることを考えると、そのままでは収容スペースが足りないですね。
なので、赤丸部分も入るような通り穴を作って、お尻の銅線収容スペースを確保しておく必要があります。
焼きドライバーで大まかな穴を空け、金ヤスリで整形します。
モーター軸だけなら余裕で入る大きさですが、ゴム管を入れるとなるとちょっときついかな。
もう少し広げます。
ゴム管を通し、乾電池をつなげてのチェック。
とりあえずOKですが、あくまでも「今のところは」というレベル。
これから先、至る所に“落とし穴”がありますから。
エンジンパーツの中心も、焼きドライバーと金ヤスリで整形。
Bパーツ。
内部に余裕ができるよう処理したつもりでしたが、銅線を収容するスペースがまだ窮屈だったことが判明。
ニッパーで隔壁部分を切って、銅線を収めます。
操縦席も床前面をカットしてスペース確保対策とし、同時に銅線の通路も作っておきます。
こうすることによって、モーターの座る位置を「ゆるく」固定できるほか、2本の銅線が触れ合うリスクを減らせます。
2本の銅線のうち、1本は絶縁テープでコーティング。
胴体内での銅線接触防止策です。
マスキングテープで、AとB、そして主翼を合わせた状態でチェック中。
チェックは可能な限り、「その時点でできる完全」の状態で行った方が良いです。
単体の部分では問題なく回っても、各パーツをくっつけることで生じる「干渉」が回転を邪魔することがあり、その「干渉」を事前に潰しておくための処置です。
接着した後で「干渉」が分かったら、リカバーも大変ですし、モチベーションにも悪影響となりますから。
エンジン最前部のこのパーツ。
何という名称か知りませんが、ここに関連して、やっておくべき作業があります。
内部の通り穴の確保はもちろんですが・・・
ゴム管の先端をニッパーで細く削っておくことです。
プロペラ軸が差し込まれたゴム管は、当然膨らみます。
その膨らみがパーツの内部に当たって回転を邪魔することがあるので、こういう先回りが必要となります。
赤:プロペラ軸に対して、青:ゴム管がちょっと短いかな。
「ゴム管が短い」ということは、「プロペラ軸を差し込める部分が短くなる」ということ。
それは、乾電池をつないだ時、回転の勢いでプロペラ軸が外れてしまう危険性を生みます。
過去の経験からそれはわかっていたのですが、この時は「まあ大丈夫だろう」と高をくくって作業を進め、そして後の「ギャー!」に繋がってしまいました。
この段階では、問題発生せず。
ゴム管先細り作業の効果も発揮され、快調に回ってくれています。
C:エンジンカウルをかぶせた状態でも、問題なし。
でも、この段階って、プロペラ本体がついていないんですよね。
プロペラがついた状態で回転したら、「風力」が発生します。
その風力は、ゴム管からプロペラ軸を引き離すパワーにもなりうるわけで・・・
それが今回、私が見落としていた「落とし穴」でした。
落とし穴に気づいていない私。
「もう大丈夫だろ」と確信し、各パーツを接着剤でガッチリ接着。
風防内側にあたる部分を先に塗装。
パイロットを座らせて・・・
下地代わりに日本陸軍機用・暗緑色を塗ってから・・・
メインカラーとなる日本海軍機用・暗緑色を吹き付けます。
実戦部隊に配備されることなく終戦を迎えた烈風ではありますが、新品っぽい塗装は私の好みではありません。
この塗り方で、多少なりとも色褪せ感が出たらうれしいなー、ということで。
マスキング剥がし。
モデラ―にとって、楽しい時間ですね。
プロペラ、吹き飛んだ。
名称不明のエンジンパーツと一緒に。
パイロットも呆れてる。
赤丸部分:ゴム管の長さが不十分で、プロペラ軸が十分に食い込んでいなかったことが原因です。
プロペラ本体を付けて回すことで発生する風力を、受け止めきれない長さだった、ということになります。
ただ、幸いだったのは、青丸部分:名称不明のエンジンパーツも一緒に外れてくれたこと。
そのおかげで、結果的に作業しやすいスペースが発生し、ゴム管を長いものに取り換えることが可能となりました。
いやー、冷や汗かいた。
F6Fとの空戦撮影も無事、終了。
マスキングテープ製「なんちゃって主脚カバー」を剥がして
主脚取り付け。
これでもって、烈風製作の全工程完了です。